物理的宇宙

物理学を自分なりに再構成することを目指すブログです

熱力学と統計力学

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当ブログは、統計力学から熱力学が導出されるという立場ではなく、通常のハミルトニアンが定義可能な量子論から熱力学が導出できるという立場をとる。統計力学は、ミクロカノニカル分布によって最大エントロピー状態を近似することにより、具体的なハミルトニアンから熱力学関数を計算するための方法論であると考える。

概要

熱力学

熱力学の原理

伝統的熱力学:測定を伴わない熱力学

熱力学の前提としての量子論

フォンノイマンエントロピーの定義と性質

熱力学的状態の定義と分類

エネルギーとエントロピーの基本的な関係

温度の定義

絶対零度と基底状態、基底エネルギーの関係

熱力学的過程の定義と分類

熱力学第零法則:熱平衡の同値関係

熱力学第一法則:エネルギー保存の法則

熱力学第二法則:エントロピー増大の法則

断熱仕事の定義

熱浴の定義とエントロピー収支

熱機関の熱効率

クラウジウスの不等式

永久機関の禁止

カルノーサイクルとカルノーの定理

カラテオドリの原理

相転移の定義

古典力学と熱力学

古典力学の下での熱力学の注意点、相空間単位体積hの意味

ニュートン重力による熱力学の破綻・質点の重力による永久機関

情報熱力学:測定を伴う熱力学

非測定系のエントロピー減少

測定系のエントロピー増加

ランダウアーの原理:古典決定論、古典確率論、量子系における考察

シラードのエンジン:デーモンの状態数のカウントによるエントロピー上昇の確認

熱力学的状態空間と最大エントロピー過程

熱力学的状態空間の幾何学の一般論

熱力学的な共役

熱力学的状態空間の多様体

最大エントロピー過程のエネルギー収支とエントロピー収支

熱2形式とシンプレクティック形式の類似性

熱力学的不等式1

熱力学的不等式2

熱力学的不等式3

温度を座標にする表示

熱容量

ヘルムホルツの自由エネルギー

等温過程

ヘルムホルツの自由エネルギー最小原理

マシュー関数

体積をパラメータとするハミルトニアンと圧力の座標

圧力の定義

マクスウェルの関係式

ボルンの熱力学正方形

エンタルピー

エンタルピー最小原理

ギブスの自由エネルギー

ギブスの自由エネルギー最小原理

ギブスデュエムの関係式

最大仕事の原理

体積と物質量をパラメータとするハミルトニアンと圧力、化学ポテンシャル

グランドポテンシャル

一様な外場をパラメータとするハミルトニアン

一様な外場の下での熱力学

エネルギー共役としての磁気モーメント

非一様な外場の下での熱力学

外場の配位に依存するハミルトニアン

非一様な外場のもとでの熱力学と汎関数としての基本関係式

摩擦力

速度の異なる二つの系と、合成系のエントロピー

物質の相

相、相図、相転移

秩序変数のある熱力学

秩序変数による熱力学の拡張

ランダウ理論

化学熱力学

相対論的熱力学

特殊相対論的熱力学

特殊相対論的熱力学は有用か?

熱力学関数のローレンツ変換

統計力学

統計力学の原理

等重率の原理とボルツマンの原理

ネルンスト・プランクの仮説

古典統計力学の定義

自由度無限大の極限と対称性の自発的破れ

統計力学的分布

ミクロカノニカル分布

カノニカル分布

グランドカノニカル分布

T-p分布

各分布の等価性

重要な例

調和振動子

量子調和振動子

古典調和振動子

ゆらぎ

参考文献

 

熱力学を学ぶならば絶対に持っておきたい2冊。この本で展開される示量変数を基礎にした熱力学は相転移が起きても破綻しない堅固な理論体系である。その点を明確に意識した本は少ない。

 

統計力学ならこの二冊でまず間違いない。院試対策としても完璧で、網羅性がある。

この本は非常に網羅性が高い。数多くの問題が収録されており、辞書的に使うことができる。