物理的宇宙

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複素ストークスの定理

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複素ストークスの定理、あるいは複素グリーンの定理と呼べるような定理を証明します。

複素ストークスの定理

Cを複素平面(ガウス平面)上の閉曲線、D(C)をCが囲む領域とする。

\oint_Cf(z)dz=i\int_{D(C)}\nabla f(z)dS

ただし、Cが時計回りの場合は、D(C)の向きが裏返っていて、負の符号がつくとする。

この定理が成立すること自体が、複素ナブラ記法の勝利と言えるのではないでしょうか。

証明

Cのパラメータ表示をz(t)=x(t)+iy(t)とする。ここでx(t),y(t)は実数。

また、f(x,y)=f(x+iy)とする。ここでx,yは実数。

さらにRef(x,y)=f_x(x,y)Imf(x,y)=f_y(x,y)とする。

複素線積分、複素面積分の定義とグリーンの定理を使って、

\oint_Cf(z)dz\\=\oint_CRe(f(z)\frac{dz}{dt})dt+i\int_a^bIm(f(z)\frac{dz}{dt})dt(複素線積分の定義)\\=\oint_C(f_x(x,y)\frac{dx(t)}{dt}-f_y(x,y)\frac{dy(t)}{dt})dt+i\oint_C(f_x(x,y)\frac{dy(t)}{dt}+f_y(x,y)\frac{dx(t)}{dt})dt\\=\oint_C(f_x(x,y)dx(t)-f_y(x,y)dy)+i\oint_C(f_x(x,y)dy+f_y(x,y)dx)\\=-\int\int_{D(C)}(\frac{\partial f_y(x,y)}{\partial x}+\frac{\partial f_x(x,y)}{\partial y})dxdy+i\int\int_{D(C)}(\frac{\partial f_x(x,y)}{\partial x}-\frac{\partial f_y(x,y)}{\partial y})dxdy(グリーンの定理)\\=i\int\int_{D(C)}(\frac{\partial}{\partial x}+i\frac{\partial}{\partial y})(f_x(x,y)+if_y(x,y))dxdy\\=i\int\int_{D(C)}\nabla fdS(複素面積分の定義、ナブラ演算子の定義)

最後に複素ナブラ演算子の定義を使った。