物理的宇宙

物理学を自分なりに再構成することを目指すブログです

熱力学の前提としての量子論

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当ブログは熱力学を量子論から導出することを目指す。

そのための熱力学を導出するための量子論の前提をまとめる。

ここでは状態が時間変化するシュレディンガー描像を用いる。

密度演算子

系の混合状態とは系の量子状態(純粋状態)のアンサンブルであり、密度演算子\hat{\rho}(t)によって記述される。純粋状態を表す純粋演算子\hat{P}_i(t)の確率分布p_iのアンサンブルは、

\hat{\rho}(t)=\sum_ip_i\hat{P}_i(t)

という密度演算子で記述される。確率分布pは時間変化しない。

フォンノイマン方程式

系を測定していない間の時間発展はフォンノイマン方程式(量子リウビル方程式)によって記述される。

i\hbar\frac{d\hat{\rho}(t)}{dt}=[\hat{H}(t),\hat{\rho}(t)]

これは密度演算子の定義とシュレディンガー方程式から導出可能だ。