物理的宇宙

物理学を自分なりに再構成することを目指すブログです

熱力学的な共役

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ハミルトニアンがパラメーター\{X_i\}_{i=1,2,...n}に依存する場合を考える。この時エントロピーの基本関係式

S=S(E,X_1,X_2,...X_n)

エネルギーの基本関係式

E=E(S,X_1,X_2,...X_n)

が定義可能だ。

エントロピー共役

パラメーターX_iのエネルギー共役\Pi_iは以下のように定義される。

\Pi_i\equiv\frac{\partial S(E,X_1,X_2,...X_n)}{\partial X_i}

エネルギー共役

パラメーターX_iエントロピー共役P_iは以下のように定義される。

P_i\equiv\frac{\partial E(S,X_1,X_2,...X_n)}{\partial X_i}

共役変数としての温度

温度の定義から、温度の逆数は

\frac{1}{T}\equiv\frac{\partial S(E,X_1,X_2,...X_n)}{\partial E}

エネルギーを関数S()の引数として\{X_i\}_{i=1,2,...n}と対等であるかのように考えると、温度の逆数1/Tはエネルギーのエントロピー共役であるとみなすことができる。

T=\frac{\partial E(S,X_1,X_2,...X_n)}{\partial S}

なので、同様の発想から温度Tはエントロピーのエネルギー共役であるとみなせる。